今年ももう終わり。1年間のお礼のごあいさつに家元のお宅を訪れた。おたくといえば、このW-ZERO3を持つぼくの姿を見て、Tがしきりにぼくをヲタク呼ばわりする。
それはともかく家元の家に着くと、まず正座でごあいさつをし、お歳暮を差し出す。2時間ほど、お話しをした。
師匠は日本の古典芸能の行く末に対してとても悲観的だ。そろそろ、ぼくたちの世代がどうにかしなければならないです、と言うと、ではどうするんだ?と。そこでぼくは返答に窮してしまった。たしかに具体策はない。しかし、それでも、この現状をどうにかしないと、われわれの文化は本当に滅んでしまうだろう。
話しは早稲田のOBたちの愚行におよんだ。早稲田はバンカラというイメージがあるが、世間ではおじいさんと呼ばれる世代の一部がこの業界でひときわ目立つ行動をしている。いい意味で有名ならぼくとしてもありがたいが、悪い意味で有名なので、早稲田出身というと「あのグループの一員ですか?」というような視線を感じ、そのたびに弁解しなくてはならない。じっさい、ぼくはその人たちとまったく関わってないし。バンカラというか、筋を通さない、自分勝手なやくざみたいで、一連の行動を聞いて、ぼくは涙を流しながら笑っていた。
それがいいことか悪いことかは分からないが、伝統芸能の世界には封建的な部分がまだ多く残っている。ぼくと家元との関係は親子のようでもあり、主従の関係もはっきりしている。先生が白を黒といえば、ぼくも黒だと言う。
それは礼儀でもあり、また芸の伝承とはそのような関係においてこそ行われうる。心からの尊敬、敬服の念が芸を吸収するのだ。
くだんのOBは家元をつかまえて、恫喝的なことを言ったらしい。
先生が出かける時間になったので、一緒に車に乗って有楽町まで送ってもらった。
何も食べていなかったので、とてもお腹がすいていた。日曜、夕方6時過ぎの有楽町はすごい人ごみだ。少しゆっくりしたかったし、歩き回るのもとても寒いから嫌だったので、目の前にあるウェンディーズに入った。無線ランが使えるマックなどに行きたかったが、探す気もなかった。
久しぶりに入ったウェンディーズで馬鹿食いしたくなって、すごいものを頼んだ。トリプルとかいうやつ。その高さは、たばこの箱より少し小さいくらい。
食べていると、ハンバーガーを包んだ紙から、なにやら液体がたれていることに気付いた。肉汁か、トマトの液体か、よく分からないけど、なにかすごい臭いを発する液体がぽたぽたとたれている。
気付いたときにはもう手遅れだった。かわいいダッフルコートの袖もびしゃびしゃだし、なによりも首にストラップでぶら下げているW-ZERO3にぽたぽたぽた。。。。
いま、家でこれを書いているが、新品の03はかぐわしいハンバーガーの香りがする。
